震災復興増税と平成24年度税制改正大綱

先日12月10日に平成24年度税制改正大綱が閣議決定されました。また、それに先立つ11月30日には震災復興増税が可決されています。ここではそれぞれについて影響の大きそうな項目をピックアップして取りまとめ解説して行きます。参考になさって下さい。


 

震災復興増税(11月30日可決)

 東日本大震災からの復興財源を確保するため、所得税と法人税の増税を中心に総額10兆円超の臨時増税が可決されました。所得税については、毎年の税負担を抑えるために25年間の増税となっており、「事実上の恒久増税」の色彩が濃い内容となっています。また、法人税については、一旦税率を引き下げた上で、3年間の増税を実施することにより、この期間については実質ほぼ増税の影響はないものとされています。 

 

【所得税】

内  容 適 用 期 間
  • 所得税額の2.1%分を上乗せ
2013年1月〜2037年12月

 

【法人税】

内    容       

適 用 期 間
  • 法人税率を30%から25.5%(中小法人について適用されている軽減税率も18%から15%へに引き下げ)に引き下げた上で、税額の10%を上積み
  • 欠損金等の繰越控除控除や減価償却費の見直しによる課税ベースの拡大により、3年間は税収はほぼ中立。
2012年4月〜2015年3月

 

【個人住民税】

内   容 適 用 期 間
  • 均等割額を年1000円引き上げ5000円とする
2014年6月〜2024年5月
  • 退職所得に係る個人住民税の10%控除を廃止する
2013年1月〜

 

 

平成24年度税制改正大綱(12月10日閣議決定)

 平成24年度税制改正については、@新成長戦略実現に向けた税制措置、A税制の公平性確保と課税の適正化に向けた取り組み、B地方税の充実と住民自治の確立に向けた地方税制度の改革、C平成23年度改正における積み残し事項への対応、を中心に改正を行うとの主旨のもとに、各税目で改正案が列挙されています。

これらはあくまで、来年の税制改正法案の原案となるものであり、正式に可決されたものではありませんので、ご注意下さい。

 

【所得税】                                                                                                           @給与所得控除について、その年中の給与等の収入金額が1500万円を超える場合は、245万円を給与所得控除の上限とする。

A勤続5年以下の役員等の役員退職手当等にかかる退職所得の課税方法について、退職所得控除額を控除した残額の2分の1とする措置を廃止する。

B特定支出控除(給与所得者が行ったその年中の特定支出の額の合計額が給与所得控除額を超える時に確定申告によりその超える金額を給与所得控除後の金額から差し引くことができる制度)について、適用判定の基準を給与所得控除額の2分の1に引き下げた(給与収入が1500万円を超える場合は125万円を上限とする)上で、更に以下の項目を追加することとする。

  • 弁護士、公認会計士、税理士等の資格取得費
  • 勤務必要経費としての図書費、衣服費、交際費(勤務必要経費合計で65万円を限度とする)

B認定長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除について、税額控除額の上限を50万円(現行100万円)に引き下げた上で、適用期間を2年延長する。

C特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例について、譲渡資産の譲渡対価に係る要件を1.5億円(現行2億円)に引き下げた上、その適用期限を2年延長する。

D居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等、及び特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の適用期限を2年延長する。

 

【贈与税】

@直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置(現行1000万円の非課税枠)を次の通りとする。

  平成24年 平成25年 平成26年
特別枠(省エネ・耐震住宅) 1,500万円 1,200万円 1,000万円
一般枠(その他住宅) 1,000万円 700万円 500万円

 

【固定資産税】

@新築住宅に係る固定資産税の減額措置を自己住宅、賃貸住宅ともに2年間延長する。

A固定資産税の負担調整措置(土地の評価の見直しで税負担が急激に増えないよう課税標準額を抑える措置)は、原則として現行の仕組みを3年延長する。また、住宅用地特例(特例割合6分の1等)も現行を継続する。ただし、不公平是正の観点から、住宅用地に係る据置特例を経過的な措置を講じた上で平成26年度に廃止する。 

 

【法人税】

@試験研究費の増加額に係る税額控除又は平均売上金額の10%を超える試験研究費に係る税額控除を選択適用できる制度を2年延長する。(所得税についても同様)

A中小企業投資促進税制について、対象資産に製品の品質管理の向上に資する試験機器等を追加するとともに、デジタル複合機の範囲の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する。(所得税についても同様)
B 交際費等の損金不算入制度について、その適用期限を2年延長するとともに、中小法人に係る損金算入の特例の適用期限を2年延長する。
C 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用期限を2年延長する。

 

【その他】

@自動車重量税について一部引き下げを実施。エコカー減税については適用基準を厳しくした上で、自動車重量税については平成27年4月まで、自動車取得税については平成27年3月まで、それぞれ適用期限を延長する。

A一定額(5000万円)を超える国外財産を保有する個人に対し、その保有する国外財産に係る調書の提出を求める制度を創設する。

B源泉徴収に係る所得税の納期の特例について、7月から12 月までの間に支払った給与等及び退職手当等につき徴収した所得税の納期限を翌年1月20日(現行1月10日)とする。

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