毎回税務を中心とした最新の話題や事務所の動向等についての記事を掲載して行きますので参考になさって下さい。
まず最初に、本年3月11日に発生しました東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
震災からの一日も早い復興をお祈り致します。
下記は今回の震災に関して税制面(国税)で特例的に認められた措置、及び一般的に住宅や家財などに損害を受けた場合の所得税の取り扱いについてまとめたものです。
なお、住民税や固定資産税などの地方税においても、各種控除や自治体独自の軽減措置が実施される場合がありますので、詳細をお知りになりたい方はお住まいの市町村にお問い合わせて下さい。
対象 | 青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県の5県の納税者 |
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延長期限 | 納税者が手続きを出来る状態になったと国税庁が判断した日から2ケ月以内 |
追加特例 | 住宅や家財など財産のおおむね20%以上が損害を受けた場合には、原則として上記の延長期限からさらに原則1年以内の納税猶予を認める |
所得税においては、一般に住宅や家財などに災害による損害を受けた場合、下記の雑損控除、もしくは災害減免法による減免・猶予措置のうち、いずれか有利な方法で所得税が減免されます。
いずれの措置も法律の原則に則れば、損害を受けた年の所得税はその翌年に確定申告をすることで還付されますが、今回は被災者の早期支援という観点から、平成22年分の所得で適用できるような特例措置が検討されているようです。
控除対象となる資産の要件 | 以下の1、2のいずれも満たすこと 1.資産の所有者が納税者または控除する年の所得金額が38万円以下の配偶者その他の親族で納税者と生計を一にする人であること 2.生活に通常必要な住宅、家財に被害を受けたこと(別荘や書画、骨董、貴金属で一個または一組の価額が30万円超は対象外) |
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控除できる金額 | 以下の1、2のいずれか多い方の金額 1.(差引損失額−所得金額)×10% 2.差引損失額*のうち災害関連支出の金額−5万円 *差引損失額=損失金額+災害関連支出の金額−保険金などにより補填される金額 |
繰越控除 | 損失額が多額で控除する年の所得金額から控除しきれない場合は、その翌年以降3年間繰り越せる |
手続き | 確定申告書に雑損控除に関する事項を記載するとともに、災害関連支出の領収書を添付または提示 |
減免を受けるための条件 | 以下の(1)~(3)のいずれも満たすこと (1)災害によって受けた住宅や家財(減免を受ける年の所得金額が38万円以下の配偶者、親族のものも含む)の損害金額(保険金などで補填される金額を除く)がその時価の2分の1以上 (2)災害にあった年の所得金額が1000万円以下 (3)所得税の雑損控除を受けない |
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減免される所得税額 | 所得金額が500万円以下・・・所得税の全額 500万円<所得金額≦750万円・・・所得税額の2分の1 750万円<所得金額≦1000万円・・・所得税額の4分の1 |
手続き | 確定申告書に適用を受ける旨を記載し、住宅や家財の損害額の明細書を添付して税務署に提出 |
猶予・還付を受ける為の条件 | 以下の(1)、(2)のいずれも満たすこと (1)会社員や公的年金受給者で、災害による住宅や家財の損害金額(保険金などで補填される金額を除く)がその時価の2分の1以上 (2)災害の年の所得金額の見積額が1000万円以下 |
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手続き | 会社員や公的年金受給者が勤務先や年金事務所を経由し、申請書や住宅や家財の損失額の明細書など添付書類を税務署に提出 (注)「猶予」は給料や年金からの天引きが減免され、「還付」は税務署から直接会社員などにお金が戻される |
政府税制調査会は4月13日に開いた会合で、東日本大震災の税制支援策の「第1弾」を正式に取りまとめました。
今回の「第1弾」は緊急支援策という位置付けで、今後、中長期的な復興支援策としての「第2弾」の検討も進められています。
今回発表のあった「第1弾」の概要は、以下の通りです。
1.震災損失の繰戻しによる法人税額の還付
平成23年3月11日から平成24年3月10日までの間に終了する事業年度において、法人の欠損金額の内に震災損失金額がある場合には、その震災損失金額について、2年間まで遡って繰戻し還付を可能とする。また、同期間の間に中間申告が終了する場合、仮決算の中間申告により同様の繰戻し還付を可能とする。
2.利子・配当等に係る源泉所得税額の還付
平成23年3月11日から平成24年3月10日までの間に中間期間が終了する場合、仮決算の中間申告により、震災損失金額の範囲内で、法人税額から控除しきれない利子・配当等に係る源泉所得税額の還付を可能とする。
3.被災代替資産等の特別償却
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に、①被災した資産(建物、構築物、機械装置、船舶、航空機、車両)の代替として取得する資産、②被災区域内において取得する資産(建物、構築物、機械装置)について、特別償却として以下の償却率を使用できることとする。
資産区分 | 平成23年3月11日 ~平成26年3月31日 | 平成26年4月1日 ~平成28年3月31日 |
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建物、構築物 | 15%(18%) | 10%(12%) |
機械装置 | 30%(36%) | 20%(24%) |
船舶、航空機、車両 | 30%(36%) | 20%(24%) |
注:カッコ内は中小企業者等に適用
4.特定の資産の買換えの場合の課税の特例
5.代替資産の取得期間等の延長の特例
租税特別措置法に規定する収用等に伴い代替資産を取得した場合の買換えの特例等について、大震災のため買換え資産等を予定期間内に取得することが困難であるときは、一定の要件の下に、当該予定期間をさらに2年の範囲内で延長できることとする。
1月23日(月)、山口県租税教育推進連絡協議会からの依頼で租税教室を開催して来ました。
同教室は、国の租税教育の一環として、特に小中高生を対象として行われるもので、税金に対する理解を深めるため、税務署署員、県税・市税担当職員、税理士や経営者の皆さん等が講師となって、実際に学校に出向いて実施するものです。
私自身、同教室の開催は初めてでしたが、小郡南小学校の6年生66名の生徒の皆さんが熱心に参加してくれたおかげで、有意義な教室とすることが出来ました。
当日は「主な税金の種類と仕組み」、「税金はなぜ必要なのか」の2つを大きなテーマとし、ゲームやクイズ、ビデオの上映等を通じて、これらに対する理解を深めてもらえるように工夫しました。
残念ながら当日の様子は写真に収めることが出来ませんでしたが、後日、生徒の皆さんから感謝の手紙集をいただきました。手書きの1文字1文字が暖かく、とても心に響き、教室を開催して本当に良かったと思いました。
また、次回租税教室開催の機会があれば積極的に参加したいと思っています。
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